冷害

□冷害 冷害とは、気温が平年よりも低く推移することによって、農作物の生育が阻害され、収量や品質が大きく低下する農業気象災害を指す。日本ではとくに夏季の低温が原因となる場合が多く、稲作への影響が最も大きい。東北地方や北海道などの冷涼な地域で発生しやすく、日本の食料生産と密接に関係する重要な自然災害の一つとなる。 冷害の主な要因として、オホーツク海高気圧の発達に伴って吹き込む冷たく湿った北東風(やませ)が挙げられる。この風の影響により、気温低下・日照不足・多湿状態が続き、稲の出穂や登熟が十分に進まなくなる。その結果、未熟粒や白未熟粒が増加し、収量の減少だけでなく、品質の低下も生じる。 冷害にはいくつかの型があり、低温そのものが生育を妨げる「低温型冷害」、日照不足による光合成量の低下が中心となる「日照不足型冷害」、低温と日照不足が同時に生じる「複合型冷害」に分類される。日本の冷害は複合型となることが多く、被害が深刻化しやすい。 歴史的には、明治時代以降、冷害による凶作がたびたび発生してきた。昭和初期の東北地方の大凶作や、1993年の冷夏による全国的な米不足は代表的事例であり、食料供給や物価に大きな影響を与えた。これらの経験を通じて、日本では農業技術の改良や品種改良が進められてきた。 対策としては、耐冷性の高い水稲品種の開発・普及、育苗や田植え時期の調整、深水管理による地温保持、防風林の整備などが挙げられる。また、冷害リスクを分散するため、作物の多様化や産地の分散化も進められている。 ◎注意点 ・夏季の低温によって作物の生育が阻害される農業気象災害である。 ・やませと深い関係をもつ。 ・東北地方・北海道の稲作と結び付けて理解する。